金融コンプライアンスの法律・指針・ガイドライン等

1.金融機関のコンプライアンス

1992年公表のCOSOフレームワーク等に、いち早く目を付けたのは大蔵省、その系譜の現金融庁である。銀行などはこれでしぼられた。複数の銀行等の関係者から聴くことが多い言葉である。

その金融庁も2017年頃からは、検査というより指導若しくは経営への共同関係などと風向きが変わってきているが、いずれにしろ銀行等の金融機関がさらなるコンプライアンスの徹底をすべきことは論を待たない。

経済の血流に当たる金融の正常な運営こそは日本経済の発展の基礎である。ステークホルダーは、一般国民から企業まで幅広く存在する。そのステークホルダーの信頼が得られるかどうかが命運を左右しよう。

以下の金融コンプライアンスに関するルールを順守してこそ、金融機関はステークホルダーの信頼が得られる。

2.金融コンプライアンス徹底のための国の指導

(1)金融検査マニュアル関係

・預金等受入金融機関に係る検査マニュアル

・保険会社に係る検査マニュアル

・金融持株会社に係る検査マニュアル

・金融商品取引業者等検査マニュアル(これのみは、証券取引等監視委員会SESC)

(2)金融庁の監督指針・事務ガイドライン

・主要行等向けの総合的な監督指針

・中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針

・保険会社向けの総合的な監督指針

・少額短期保険業者向けの監督指針

・認可特定保険業者向けの総合的な監督指針

・証券会社向けの総合的な監督指針

・金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針

・信用格付業者向けの監督指針

・高速取引行為者向けの監督指針

・信託会社等に関する総合的な監督指針

・金融先物取引業者向けの総合的な監督指針

・金融コングロマリット監督指針 (持ち株会社など対象)

・貸金業者向けの総合的な監督指針

・信用保証協会向けの総合的な監督指針

・中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律に基づく金融監督に関する指針(ただし平成25年に失効)

・清算・振替機関等向けの総合的な監督指針

・指定紛争解決機関向けの総合的な監督指針

・金融商品取引法等ガイドライン、金融機能強化法ガイドライン等

3.金融コンプライアンスで重要な法律一覧

1.「金融機関」法規制

(1)法律
①銀行法,②長期信用銀行法.③金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、④信用金庫法.

⑤中小企業等協同組合法、⑥協同組合による金融事業に関する法律、⑦農林中央金庫法、

⑧農業協同組合法、⑨水産業協同組合法,⑩森林組合法,⑪労働金庫法.⑫信用保証協会法、

⑬農林漁業信用基金法、⑭金融商品取引法,⑮投資信託法(投資信託及び投資法人に関する法律),

⑯保険業法,⑰出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律),⑱貸金業法,

⑬商品ファンド法(商品投資に係る事業の規制に関する法律),⑳不動産特定共同事業法、

21特定債権等に係る事業の規制に関する法律,22前払式証票の規制等に関する法律,23無尽業法,

24信託業法,25農業信用保証保険法,26中小漁業融資保証法、

27中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律、

28振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)

(2)省令・告示

2.「株式会社」に対する法規制
(1)会社法
(2)商法

3.「経済秩序及び市場秩序」に関する法規制
(1)独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
(2)不正競争防止法
(3)金融商品取引法
(4)商品取引所法
(5)消費者保護法制
①消費者保護基本法、②利息制限法,③出資法、④貸金業法、⑤割賦販売法,

⑥特定商取引に関する法律、⑦無限連鎖講の防止に開する法律、⑧消費者契約法,

⑨金融商品販売法(金融商品の取売等に関する法律)、⑩個人情報保護法

4.「金融取引」に関する法規制
(1)民法・商法・手形法・小切手法

(2)電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律

(3)特別背任罪(会社法960条)・背任罪(刑法247条)・詐欺罪(刑法246条)・業務上横領罪(刑法253条)

(4)利息制限法

(5)出資法

(6)組織的犯罪処罰法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)

(7)預金等に係る不当契約の取締に関する法律

(8)預金保険法

(9)犯罪による収益の移転防止に関する法律

※平成11年(1999)「金融検査マニュアル」の「金融機関とその経営者等が遵守すべき具体的な法令等」参照

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