1.株式会社豊田自動織機が国内認証での排出ガス規制に違反する不正が発覚していたが、トヨタ自動車に搭載される自動車用エンジンでも不正が、令和6年3月判明した。同社の記者会見が開催され、トヨタ本社でも豊田会長の謝罪記者会見が開かれた。

2.不正行為は、フォークリフトのエンジンを含む産業車両および自動車用ディーゼルエンジンに関連し、排出ガス規制における違反が指摘された。トヨタ自動車の関連エンジンも影響を受けている。

3.不正の詳細は特別調査委員会による報告書で示され、弁護士14人と事業者1人の15人からなる独立した調査委員会が調査を行った。報告書は概要版(67ページ)と公表版(203ページ)の2つが存在し、報告書は同社のサイトでも公開されている。

4.不正の再発防止策として、標準化・明確化された開発認証プロセスの整備、監視機能の強化、リスクマネジメントの観点からの組織体制の整備、コンプライアンス意識を強化する文化改善などが提案されている。

5.豊田自動織機の不正行為は企業の信頼性やサステナビリティに影響を与え、再発防止策の実効性が重要である。犯罪と刑罰の関係と同じように不祥事再発を実効性を持って行うためには、ルールの整備だけではなくその実効性の確保が不可欠である。