1.不祥事発生時の「情報ファイル」と「個別ステートメント」作成方法

(1)不祥事発生時の情報の整理

社員のミスや事故によって,不祥事が発生した場合は,初期対応がすべてと言ってもいいであろう。

初動での対応のまずいことがあれば,ず~と後に尾を引くからである。

不祥事発生時にはすぐに,「事実関係の迅速かつ正確な把握」が最優先される。

つまり、客観的な事実の確認と関係者の事情聴取を大急ぎでやろう。

リスクマネジメント、危機管理の大事なプロセスとの認識が今日では一般的になっている。

(2)緊急役員会・緊急幹部会

一般企業であれば,まず緊急取締役会であろう。

そして,コンプライアンス違反があれば,コンプライアンス担当取締役を決めているはずだから,すぐに「コンプライアンス担当委員会」を開いて,コンプライアンス違反の事実を調査

することになる。

このときに,急がば回れで、慌てずに、5W1Hで事実をまとめる。

…Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)したのか。それは,How(どのように)したのか。

(3)「文書化」

そして,コンプライアンス態勢を作るときには必ず実施マニュアルに盛り込むべき事の一つに「文書化」があった。

このときも見出しを付けて「○○○情報ファイル 日付」を作成する。

…このときに大事なのは「確認情報」と「未確認情報」をしっかり分けることであろう。

そして,ともかくこのファイルに全情報を入れる。

そして,不祥事に対応する決定権限を持った会議で共有する。

機密文書なので、社内LANなどのイントラネットがあるものであれば,アクセス制限をして,アップする。

このときに注意しないといけないのは「個人情報保護法」及び「プライバシー」の保護で、不用意に公表したり漏れると、時には,関係者から刑事告訴される。

2.マスコミ等へのステートメントの公表・伝達方法

このような文書ファイルを作成した上で,マスコミへの公表,関係取引先などへの説明,従業員への説明などの個別のステートメントを作成する。

会社等の組織の少なくとも取締役などはこの文書内容を完全に理解して電話取材等があっても対応できるようにする。

日付・日時は重要である。

情勢は刻々と変化することが多い。

中間報告的に公表すべきものも多く、ステートメントの日付と日時は明記して情報を個別に発信し伝達していく。

3.災害危機管理

 上記のことは基本的に同じように当てはまる。