1.職業倫理の確立基本事項
(1)コンプライアンス目的の実現は基礎の職業倫理のないところで馬の耳に念仏
マネジメントの基礎である業務の効率性・有効性や会計等の報告開示の真実性はコンプライアンスをともに組織目的においてはじめて社会からの信頼が得られよう。
そのコンプライアンスは、リスクマネジメントや情報管理と並んで職業倫理を統制環境の中心において達成できるのである。
しかも、神戸製鋼などの世界的な大企業の品質不正は、リスクマネジメントに大きな問題あるのこのサイトの別稿の通りであるが、それと並んで或いはそれ以上に嘘をついたり誤魔化したりしても結果さえよければいいのだといった反倫理的な態度が組織風土としてあれば、品質チェックと言っても、馬の耳に念仏である。
(2)ステークホルダーの信頼を得るための職業倫理のあり方
真剣に考えるべきは、自己の組織の信頼の要にいる取引業者や消費者等のステークホルダーの信頼を得るその理論と個々人の自律的倫理をしっくりと嚙合わせることである。
(3)研修対象の組織や団体の根拠規定等確認
まさか、倫理に関する規定がゼロの企業はないと思うが、十分にその業界のルールを咀嚼した自己の会社のコンプライアンスルールの基礎である倫理規定を作成すべきは論を待たない。
豊田商事事件と言っても旧聞に属するかもしれないが、社会悪の企業と間違われないようにすべきである。
(4)倫理への深い考察がないところに精神は形成されない
帰結主義か非帰結主義か、仮言命題と定言命題、
倫理の本質と獲得方法、西欧倫理学と東洋倫理学の先賢の教え
倫理か、職業倫理か、法規範か
2.不祥事を防ぐための仕組みつくりとプロセス
(1)職業倫理向上プログラム
コンプライアンス違反防止を図る流れ図が必要である。このサイトの別稿参照
・内部通報体制と倫理条例・規程等制定、内部倫理監査
・類似組織の動向。
・倫理規範を比較検討してマニュアル等も作成視野に
(2)不祥事発生時の対応練習
・第三者委員会設置案等の動きと賢明なマスコミ対応方法
(3)最新事例やトピックを取り入れた事例演習
職業倫理を深く理解するための事例ディスカッションを実際の事例を取り上げながら実施することが不可欠である。
この研修は座学では身につかないのだ。