【講義部分】コンプライアンス態勢構築の二本柱(企業倫理とリスク管理)
1.コンプライアンス態勢の基本…ステークホルダー理論の紹介
(1)職業倫理…倫理・道徳の基本的考えと企業憲章などのソフトロー規程(日本取引所の各種プリンシプルなど)
(2)企業の内部統制の在り方…COSO・コーポレート・ガバナンス・ESG等参考
(3)管理職のコンプライアンス態勢構築のためのリーダーシップ・コーチング等手法
(4) コンプライアンス違反防止の新しい潮流⇒現代心理学・AI活用・内部通報認証制度
(5)内部統制に関する「日本システム技術事件」の賠償責任基準の実務定着
(6)中小企業の内部統制義務を宣言した判決
2.コンプライアンスと公益通報者保護法等を踏まえたリスク管理の方法
(1)コンプライアンス・リスクの重要性増大
(2)今日的な企業リスクへの対応…リスクを知る・避ける・被害を最小化する
(3)公益通報者保護法と内部通報(ヘルプライン)の設置方法
3.「コンプライアンス」はなぜ重要か…株主や取引先等ステークホルダー信頼得る
(1) 当事者意識の醸成の方法
(2) 風通しの良い組織を作るコツ(風通しを悪くする管理職の具体例等)
(3)不祥事を防止する理論(不正のトライアングル・フレーミング・ソーシャルボンド理論等最新動向)
(4)職業倫理向上プログラム(カント・アリストテレス・ジョン ロールズ等)
4.最近の企業等不祥事の実例(特に平成27年~平成30年及び令和)
(1)最近の不祥事の実例分類
①不正経理・品質管理・データ改ざん・個人情報漏えい・ハラスメント等の類型化
②個人情報の漏洩8つのパタ-ン(管理ミス・マイナンバー・個人カード・SNS等)
(2)最近の企業不祥事で特に注意すべきもの…判例や実例参考に
・不祥事リスクでリスクアセスメントによる優先順位の確認
・例:不正経理(不正経費・不正売上)…東芝事件など
・例:品質管理違反…神戸製鋼事件・大和ハウス工業事件・スズキ事件など
・例:ハラスメント(パワハラ・セクハラ・マタハラ・モラハラ)海遊館事件等
・例:インサイダー取引事件…NHK事件など
・例:個人情報のSNSからの漏えい(ローソン事件・リクナビ事件など)
・例:独占禁止法・下請法違反…下請けいじめ(優越的地位の利用等楽天事件など)
・例:景品表示法違反…ジャパネットたかた事件等
5.不祥事発生時の対応
(1)最も重要なものはintegrity(誠実性・高貴性・廉潔性等)
(2)マスコミの取材と記者会見の仕方(ポジションペーパー作成方法等)
(3)リスク対応:危機管理(不祥事発生)の事例よい例悪い例(実際の事例紹介)
(4)第三者委員会の設置…顧問弁護士は入らない
【演習部分】 企業コンプライアンスの演習
・30問以上の職業倫理やリスク管理に関連した問題を演習する
(但し、研修全体のメリハリ・締りと受講者のよりポジティブ参加確保で、講義中に適宜織り込み、コンプライアンス的思考方法が自然と会得されるようにする)