社会倫理と組織倫理-認知的不協和からコンプライアンス違反へ

1.コンプライアンスアンケートにおける必須項目

コンプライアンスに関するコンサルティングに入るときには、コンプライアンスアンケートを利用する。組織の現状を把握するためだ。

2.認知的不協和の項目

コンプライアンスアンケートでは、認知的不協和(レオン・フェスティンガー)に関する項目を入れるのは必須だ。例えば、

・問い 仕事でミスをしたときに、貴方は上司にすぐに報告していますか。

回答 しているなら問題はないが、していないときになぜかと問う。

少なくとも、ミスすれば、上司に報告するのが職業倫理の求めるところである。また、そのような規定を設けている組織もあるかもしれないから。

上司に報告しないのであれば、そこには一種の心理的合理化が働いているであろう。

つまりこの時に、「みんなしないから」、「上司はすぐに怒鳴るから」、「減点主義の組織で査定に影響するから」等が、認知的不協和からその人間が脱出する理屈である。

自己正当化せずに人はいられないから。「盗人にも三分の理」」だ。

3.社会倫理と組織倫理

社会倫理と組織倫理は経験上乖離することがあって当然だ。

私はスポーツも会社勤めもした。

スポーツをやっていた時のチームの倫理、会社にいたときの組織の倫理は、いずれも社会倫理と乖離していた。よく講演等で話す通りだ。

生きるために生きている空間の規範に従って当たり前だから。

よく政治家が政党の論理で政権の倫理をやって、社会倫理からあまりにも離れていて、それに気づいていず、やらかしてから気づき、のっぴきにならない大失敗しているのもこれだ。

4.コンプライアンス違反の発生はなぜあるのか。

これがコンプライアンスの本質的な話になるのである。

認知的不協和を脱出するときに、正しい行動をとるのは、組織倫理を社会倫理に近づけようと努力しているか否かである。

コンプライアンス違反の多寡はそこに大きく依存しているのだ。

ではそのためにはどうすればいいのか。

それをいつも研修や講演で話しているのだ。

さらに熱心にESG投資のGのガバナンスの改革する組織やSの社会性を有する組織にするためのコンサルティングで集中しているのだ。

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